右隣の彼
「滋・・・」
気付けば岸田くんの名前を呼んでいた。
岸田君は一瞬目を見開くと物凄い力で私を強く抱き締めた。
「し・・滋?!苦しいよ・・・」
だが岸田君は首を横に振った。
「ごめんね・・・冷たい態度とって・・・もう二度とあんな真似はしないよ」
「絶対だよ」
「・・・俺今めちゃくちゃうれしいんだけど・・・どうしよう」
あんなに冷たかった岸田君はもういなくなって、とびきりの笑顔で
私を見つめていた。
「私は想定外だよ」
「何で?」
首をかしげる岸田君に私は笑顔で言った。
「まさかこんなに好きだったなんて自分でもびっくりなんだもん」
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