右隣の彼
岸田君の作戦にまんまと引っかかった?!けど・・・
あれ?岸田君?
上目使いで岸田君を見ると顔が真っ赤になってた。
「岸田君どうしたの?」
岸田君は私の肩におでこをつけると抱きしめる腕に力を入れた。
「・・・・そういうかわいい事いわないでください。
 俺の理性、今ギリギリ保ってるんですよ。」
「え!?」
「俺が今何がしたいか・・・わかってます?」
岸田君の声が私の首筋に感じて私の体温がカッっと上がるのがわかった。
・・・やだ・・私岸田君の声にめちゃくちゃドキドキしてる。
恋愛なんかずっとご無沙汰だった私には今、こうやって自分だけに
向けられた甘い言葉は相当な破壊力があって
きっと顔なんか噴火しそうなくらい赤い。
だからどうやって言葉を返せばいいのかもわからず
恋愛初心者と同じだった。
私の方が年上なのに・・・・情けない。
「どうしよう・・私恋愛の仕方忘れちゃった・・・
 もっとさらっと言葉を返せればいいのに・・」
「んーーっもう!なんでそんなに俺を煽るような事平気で言うんですか?」
え?そんなつもりは全くないし余裕もなくて
どん引きされる前に自己申告しただけなんだけど・・と思うのだけど
岸田君にはそう受け取ってもらえないどころかさっきよりも何だか
熱い視線を感じる。
「ごめん・・・」
「・・いや・・謝んないでいいから・・・っていうか・・もう
 ずっと一美さんに片想いしてたから今こうやって自分のものに
出来た事にどう対処したらいいのかもわからなくって・・・
 本当はたくさんデートしたりして二人の距離を徐々に縮めたいのが
理想ではあるけれど・・今の俺はその辺全て吹っ飛ばして
 一美さんと二人っきりで出来る事がしたいってのが・・・・・本音!」
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