右隣の彼
岸田君はものすごい笑顔で夏元さんに止めを刺した。
その言葉に夏元さんはもちろん近くにいた社員たちの視線が一斉に
岸田君へ向けられた。
そりゃ~そうだよね。社内一のイケメンと言われてて
隠れファンはかなり多い岸田君だ。気になるよね~~
私が彼女だって言ったら半殺しかも・・・
「え?お前彼女いたっけ?」
「はい」
「いつから?」
「・・・・う~~~ん・・・一ヶ月前くらいから?」
「どんな人?」

ちょっと~~岸田君まさかのカミングアウト?
やばいよ!ばれたら移動だよ移動
私の心臓はバクバクだった。

「すごくかわいい人です。俺にはもったいないくらいの」
その顔はとても破壊力のある笑顔で
夏元さんの新婚アツアツオーラなどぶっ飛ぶほどで・・・
私は高鳴る鼓動をなんとか鎮めるのに必死だったと同時に
私より若い女子たちからため息が漏れていた。

やっぱり彼はもてる。
自覚はないんだろうけどね・・・悔しいけど
そんな彼が私のことをすごく好きだって言ってくれたことが
うれしくって・・・・

早く仕事終わらないかなって
心底思うのだった。 
< 73 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop