右隣の彼
「時間空けとけって・・・」
「だから~デートしようって言ってんの」
「デ・・・デート?ちょ・・ちょっと何言ってるんですか?私さっきも
言いましたがお付き合いしてる人がいるんですけど」
とんでもないことを言われ私は勢いよく立ち上がった。
颯太さんは椅子にもたれながら私を見上げにやりと笑った。
「彼氏がいるからデートは無理というのなら・・・・仕事って事に
しておけばいいんだな」
颯太さんの目は拒否権などないぞとでも言いたげに口角を上げた。
そしてもう一人この光景をものすごく楽しそうに満面の笑みで頷きながら
思いっきり立ち聞きしている葵さん。

なんなのよ・・・
私、何しにここに来たんだろう仕事しに来たんだよね。
それが仕事の前にいきなりデートという名の仕事の依頼ですか?
それもライバルの後押し付。
それから颯太さんはうちの会社に退社後私を貸してほしいという
連絡を課長するというとその話はこれでおしまいと本来の目的の
スイーツコラボの打ち合わせに入った。

打ち合わせをしているときの颯太さんはさっきとは比べられないほど
真剣で、昔はその切り替えの早さや仕事ぶりをみて確かに彼が素敵だと思った時があった。
だけど相手は会社の社長、恐れ多くて恋愛の対象になど論外だった。
それに今私は誰よりも岸田君が好き。
本当になんで葵さんまでいるんだよ!何がお似合いですだよ!
自分が岸田君とうまくいきたいがために言ってるだけじゃないのさ。
みえみえなんだよ~~ああああ~~~
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