右隣の彼
世間狭すぎ!
終業のチャイムが鳴ると課長が大きな声で私を呼んだ。
理由はわかってる。だから言われる前に
「粗相のないように…ですよね」と言い返すと不安げな顔で
頷いた。
粗相のないように・・・・といっても接待なんて言うのは表向きであって
実際は不本意だけど2人で食事をするんだよね。
席を立ちながら右隣に座っている岸田君を見るとまだ帰る気配はなさそうだ。
「岸田君はまだかかるの?」
「・・・あと1時間もしたら終われると思いますが・・・何か?」
資料室から戻ってくると岸田君は何事もなかったように仕事をこなしていた。
だけど口数は少なかった。
「ううん、申し訳ないけど私は先に失礼するわね」
岸田君はパソコンの画面を見ながら「おつかれさまです」と言って仕事を再開させた。
資料室での顔とは別人のような岸田君に寂しさを感じた。
もちろん颯太さんに断ることができなかった自分が悪い。
岸田君は何も悪くない。
だけどさ・・・・なんか寂しいじゃん。
私が悪いんだけど・・・
そんな気持ちで
エレベーターの下りのボタンを押した。しばらくするとチャイムと共に開いた。
私は大きなため息を吐きながら誰も乗っていないエレベーターの中に入った。
そして「閉まる」ボタンを押そうとしたその時だった。
理由はわかってる。だから言われる前に
「粗相のないように…ですよね」と言い返すと不安げな顔で
頷いた。
粗相のないように・・・・といっても接待なんて言うのは表向きであって
実際は不本意だけど2人で食事をするんだよね。
席を立ちながら右隣に座っている岸田君を見るとまだ帰る気配はなさそうだ。
「岸田君はまだかかるの?」
「・・・あと1時間もしたら終われると思いますが・・・何か?」
資料室から戻ってくると岸田君は何事もなかったように仕事をこなしていた。
だけど口数は少なかった。
「ううん、申し訳ないけど私は先に失礼するわね」
岸田君はパソコンの画面を見ながら「おつかれさまです」と言って仕事を再開させた。
資料室での顔とは別人のような岸田君に寂しさを感じた。
もちろん颯太さんに断ることができなかった自分が悪い。
岸田君は何も悪くない。
だけどさ・・・・なんか寂しいじゃん。
私が悪いんだけど・・・
そんな気持ちで
エレベーターの下りのボタンを押した。しばらくするとチャイムと共に開いた。
私は大きなため息を吐きながら誰も乗っていないエレベーターの中に入った。
そして「閉まる」ボタンを押そうとしたその時だった。