大好きだから
 手に置かれたのは怜央の部屋の鍵だった。

「……鍵……?」

 わたしの頭にふんわりと怜央の手が置かれ優しく撫でられる。

「わかっているから。じゃあね」

 微笑を浮かべた怜央は、もう一度わたしの髪を撫でると階段を引き返した。

 頭を子供のように撫でられ、「わかっているから」の一言で、わたしはなんて心が狭かったのだろうと悟る。

「怜央……」

 ふっと心が軽くなる。

 それは綿菓子よりも軽く、嫉妬と言う名のどす黒かった雲は一気になくなり、顔が自然とにやけてくる。

 それだけ怜央の大きな手のひらはわたしに自信を与えてくれた。

 これから先、わたしたちの恋はどうなるのかわからないけれど、今わかることは誰かに嫉妬する必要はないってこと。

 ちょっぴり自信をもらった大事な鍵をジャケットのポケットにしまい、階段を駆け下りスタジオのドアを開けた。

 そこに大好きな彼がいる。


。*:.* ♡ *.:*:.* ♡ *.:* 。

~ 優しく頭を撫でる彼の手 ~

。*:.* ♡ *.:*:.* ♡ *.:* 。

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