もう一度、逢えたら…
『あっ』

俺は、ボールを受けそこね、俺に当たったボールがテニス部の方へと飛んでいった。

ちょうどボールが飛んでいった方向に、遠藤の姿が見えた。


彼女はボール拾いをしていたようで、
テニスラケットの面いっぱいに、ボールを10個ほど乗せて歩いていた。


彼女は、サッカーボールが自分の方へ転がってくるのを見つけると、
それを拾ってくれた。

そして、サッカー部の誰の方へ投げようか迷うような表情を見せた。


俺は、思わず、

『あ、ありがとう。こっち。』

といって、真っ直ぐに彼女の方へと歩いていった。

別に投げてもらえばいい話だったけど、思わず彼女に手渡してもらいたい一心で
彼女の方へ駆け寄ってしまった。


すると、彼女も俺の様子を確認すると、
ゆっくり歩きながら俺の方へ近づいてきた。

そして、テニス部とサッカー部の境目付近で、直接ボールを彼女から受け取った。
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