もう一度、逢えたら…
あまりのつらさに、
私は
みんなと一緒に走るのをあきらめ、
一人でゆっくり追いかけようと思って
そう言った。


「いいよぉ、
一緒にゆっくり行こうよ。」


優しい水穂はそう言って、
私の隣に立ち止まった。


「ありがとう……。」


私は嬉しいのと申し訳ないのとで、
心がいっぱいになりながら、
ゆっくり歩くのと同じ様な速さで、
また、走りだし始めた。
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