もう一度、逢えたら…
すると、
タイミングよく
カラオケボックスから、
石山が出てきた。


「あれっ?
こんなところにいたのか。

探してたんだよ。

なぁ。延長してもいいかな?

他の連中には一応確認取れたんだ。

もう終電もないし、
朝まで歌おうって。」


俺は、
石山の肩を抱きながら、
カラオケボックスの中に
戻っていった。


「おう、そうしよう。

俺も、速水の面倒は疲れたよ。

やっと
酔いも冷めてきたみたいだし、
後は
遠藤に任せとけば大丈夫だろう。

あいつらは、
もうちょっと
外にいた方がよさそうだ。」


俺は、
一瞬振り向いて、
二人の方にウィンクをしてみせた。



二人は
俺の顔を見て、
ありがとう
と口パクで言うと、

照れるように
お互いの顔を
暫く黙って見つめ合っていた。


俺は
石山に向かって話しながら、
その場を後にし
カラオケボックスの中に
入っていった。
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