もう一度、逢えたら…

☆会場 2

宴会が始まってから30分程たった頃、
速水君は遅れてやってきた。


「あっ、速水君だ!

相変わらず格好いいじゃない!

よかったね、
叶恵、彼に会えて。」


さっきの会話を思い出したのか、
水穂がこそっと耳打ちしてきた。


「う、うん。

でも多分話せないよ……、
あんまり話したことなかったから。」


本当はずーっと
彼と話すことばかり考えていたはずなのに、
私は彼を一瞬見ただけで緊張してしまい、
ドギマギしてしまった。


「大丈夫だよ。

今はあの頃とは違うんだし。

あ、こっちでーす!」


水穂はそういうと
飲み物を取りに席を立った。
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