絶対に好きじゃナイ!

「か、要さん!?」

「ああ、よかった。忘れられてたらどうしようかと思ったよ」


そう言ってへらへら笑うこの人。

芹澤要さんは、うちの社長の友だちで。
中学から高校の頃まで、社長の隣にはだいたいこの人がいた。

まさか、こんなとこで再会するなんて。


「梨子ちゃん、いま虎鉄のとこにいるんだろ?」

「あ、はい。そうなんです」


虎鉄っていうのは、社長の名前。

ちなみに苗字は西城という。
西城虎鉄なんて、名前まで強そうなんだからびっくりだ。


「ちょっと梨子、知り合いなの?」

「う、うん…… ちょっと地元のね」

「えー!なによ、ズルい! 結構イケメンじゃない!」


わたしに囁いた隣の友だちの言葉で女の子たちを見回してみれば、遅れてやってきた要さんに盛大な注目の視線がそそがれている。


社長と要さんは普段の行動が派手なのもあったけど、その容姿で地元の女の子の視線をこんなふうに釘付けにしていた。

要さんなんて物腰柔らかなもんだから、同年代の女の子から少し年上の女性まで、守備範囲が広い広い。
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