絶対に好きじゃナイ!

「いろいろって?」

「え、えぇ?」


そこ、突っ込んで聞く?
濁してるんだから察してよね!

そう思ったけど、にこにこしながらわたしを見る要さんにはイヤだと言わせない迫力がある。

この人がこのウソくさい笑顔でどんなことをしてきたか、わたしはよく知ってるんだもん。


「……わたし、21歳になったんですけど」

「へえ、もうそんなか! はやいなあ。俺の中ではずっと小学生の梨子ちゃんだからなあ」


俺も年取るわけだ、なんて笑ってる。
それで誤魔化されてくれたらよかったんだけど、それで?って目が言ってるもん。
先を促されてます。

わたしはそれぞれ話に夢中なみんなを見渡して、少し声を落として言った。


「……それで、今まで、その……彼氏が、できたことなくて。だから……」


だから、キスすらしたことない。

口の中で声にはならなかったその呟きは、どうやら察してくれたらしい。


「ああ、なるほどね。それで合コンか」


要さんは納得した様子で頷いた。
なんだか気恥ずかしくて、小皿に取り分けてあったサラダを食べながら顔を俯けた。
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