絶対に好きじゃナイ!
だけど、学生の間の恋ってなんだか特別きらきらして見えるでしょ?
その間一度も恋することができなかったのは、やっぱりちょっと残念だもん。
どうしてわたしは恋愛できないんだろうって、真剣に悩んだこともあったのに!
「……梨子?」
わたしにのしかかったままの社長が、目に見えてしゅんとする。
「その、まわりの奴等が騒いでどんなふうに触れ回ったのかは知らねえけど……」
思いっきり眉を下げてわたしの表情を伺う社長は、なんだか叱られた犬みたい。
別にそこまで本気で怒ったわけじゃないんだけど、その様子をもう少し見ていたくてちらりと社長の顔を見上げた。
「俺はただ、お前が追いついてくるのをちゃんと待とうと思って。だけどその間に他の男にあんまりべたべた触らせたくなかったし……」
ヤダ、なんか可愛い……
もごもごと言い訳をする社長は、さっきまでとは別人みたい。
女の人の扱いなんてお手の物って感じのくせに、まるではじめて恋をしてる男の子みたいにたじたじな様子につい頬が緩んじゃった。
だけど視線を彷徨わせる社長は、わたしのその様子には気付かずなんだか可愛い言い訳を続けてる。