絶対に好きじゃナイ!
証言その2:紫○さん
西城くんとは、大学時代からの知り合いだったの。
通っていた学校は違ったけどわたしと彼の大学は近かったし、わたしの幼馴染が西城くんと同じ大学だったこともあって、その頃から面識はあった。
まあ、そうでなくても彼は有名人だったけどね。
頭が良くて、男らしい端正な顔立ちで、その上腕っぷしも強いらしい。
女の子が放っておくわけないって感じの青年だった。
わたしの腹黒な幼馴染も、なにを思ってかは知らないけど大絶賛してたわ。
「だけど完璧な西城くんにも、意外な弱点があるんだってさ」
その彼は持ち前の腹黒い笑顔でいかにも楽しそうに言っていたけど、わたしには全然信じられなかった。
ちなみにこの腹黒い幼馴染。
若気の至りで恋人同士だったこともあるけど、今ではすっかりただの幼馴染に逆戻りしてる。
いま彼はある人気シューズ・ブランドの本社で社長秘書をしているの。
そのことと関係あるのかはわからないけど、ちょうど彼の勤める会社から新店舗設立に関する依頼をもらったりね。
とにかく社長としての西城くんも完璧で、全然隙なんて見当たらなかった。
だからこの事務所で働くようになってからも、幼馴染の言葉なんてちっとも信じてなかったのよ。
ーー梨子ちゃんがうちに入社してくるまでは、ちっともね。