絶対に好きじゃナイ!

そして俺が開けっ放しになってる資料庫のドアまで辿り着いたとき、部屋の中からガタガタと大きな音が聞こえてきた。


部屋に入って急いで音のしたほうへ行くと、案の定。


脚立の上でバランスを崩して、今朝俺が棚に戻した資料を抱えたまま背中から落ちた梨子ちゃん。

そしてそんな梨子ちゃんをしっかり受け止めて、自分の腕の中に収まったのを見てほっとしたような顔をする社長がいた。


「ったく、届かねえもんをムリして取ろうとするな」

「す、すす、すみません……!」


社長の腕の中で真っ赤になって慌てる梨子ちゃんは最高に可愛かった。


俺が思わずぼけーっと見惚れてると、それに気付いた社長にいつも通りギロリと睨まれる。

そしてあの社長は梨子ちゃんの赤い顔を俺に見えないように隠したんだから、全く大人気ない。





とにかく社長はいつでも梨子ちゃんのことを気にしてて、そんでもって独り占めしようとしてた。

まあ、本当は俺が気付いてやるべきことだったんだけどさ。




そういうことも含めて、ほんとに、うちの社長には敵わないと思わされた出来事だったね。
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