絶対に好きじゃナイ!
「椎名」
「は、はいっ!」
セクハラ対策になにか武器になるものでも用意しようかとあれこれ思索していたら、突然社長からお呼びがかかった。
目が"こっちに来い"って言ってる!
わたしは手に持っていた資料を放り出すと、びゅーんっと社長のデスクまで飛んでいった。
「安達医院の件、打ち合わせは俺も一緒に行くから」
「え? 社長もですか?」
「ああ」
め、珍しい……
はじめの打ち合わせの段階では、建設までの日程や流れの説明をして、依頼主様のだいたいの希望を聞いてくる。
だからわざわざ社長が同行することは滅多にないんだけど。
「そういうことだ。もう戻っていいぞ」
「あ、はい。失礼します」
うーん、なにか特別な依頼主なのかな?
首を傾げつつデスクに戻ると、紫枝さんがなんだかにやにやしながらこっちを見ていた。