絶対に好きじゃナイ!
ちょっと過保護なくらいの社長の気持ちが、くすぐったくて嬉しいから。
精一杯の想いをのせて言うと、少し笑った社長が片手をあげて応えてくれた。
あのsoir本社に、みんなが一生懸命につくった資料をひとりで届けに行くのは少し緊張するけど。
ちゃんとsoirの社長さんにみんなのがんばりを見てもらえるように、わたしもがんばりたい!
わたしは腕に抱えた資料をぎゅっと持ち直して、次の特急を待つために待合室へと足を向けた。
空いている椅子に座って、わたしが乗る特急が来るのを待つ間。
わたしの中に芽生えはじめたこの気持ちについて、冷静に考えてみた。
これってきっと、"独占欲"って言うんだ。
社長の全部を自分のものって言ってみたいなんて、すごくわがままな気持ち。
わたしのファースト・キスの相手は社長だった。
次も、その次もそうだった。
だけど、社長は……
高校生だった社長の隣、入れ替わりに現れてはいなくなる女の子たち。
あの中に、社長のはじめてのキスの相手もいたのかな。