絶対に好きじゃナイ!

「ん、わかった。じゃあ俺、あいつらに仕事丸投げしてきてるから戻るけど、ちゃんと切符買って時間も……」

「大丈夫ですよ! 電車くらいひとりでも乗れます。もう小学生じゃないんですから」

「……そうだな」


社長が眉を下げて優しく笑う。

あの街を出てきたばかりの頃は、たくさんホームがあって電車に乗るのも一苦労だったけど。

社長に誘われて、追いかけて。
この街に出て来てからもうすぐはじめての冬がやってくるんだから。


「社長!」


歩き出した社長の背中に呼びかけると、ちゃんとわたしの声に振り向いてくれる。

ヤダな。
こんなことが嬉しいなんて、もう随分重症かもしれないじゃん。


だけどそれを認めるのは、まだ少し意地っ張りが邪魔をするから。


「いってきます!」



ついて来てくれて、ありがとう。

心配してくれて、ありがとう。

助けてくれて、ありがとう。
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