絶対に好きじゃナイ!

この人は不良と言われていたわりに頭がよかったから(たぶんそれも女の子にモテた理由のひとつ)、都会の有名大学に行ったって聞いてた。

そのあとのことは知らなかったけど、どうやら一級建築士の資格をとって2年前に自分の事務所を設立していたらしい。



というわけで、わたしが勤めるのは建築デザイン事務所といわれるところ。

従業員は7人で、わたしは事務関係と広報を担当してる。


この春に入社して、半年と少しが経った。
もうすぐ、この街で迎えるはじめての冬がやってくる。





生暖かい風の中に、ほんの少し暮れていく秋の名残が混ざる。

短大時代の友だちがセッティングしてくれた合コン会場に着くと、女の子たちはもう全員来ていた。


「あ、梨子!やっと来た!」

「ごめん、ちょっと遅くなった」

「いいよ、いいよ〜。まだ男性陣は来てないからさ!」

「今日はなんと!お医者様だって〜!」


もう既にきゃぴきゃぴしてるみんなを見ると、ふっと肩の力が抜ける。

短大時代も女ばっかりの中で、こんなふうにどの男の子がかっこいいとか話をして盛り上がった。
もちろん、テレビの中の男性についてだったけど。
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