絶対に好きじゃナイ!

わたしの意地っ張りはすっかりなりを潜めて、ダイレクトに響く甘い囁きがぐんぐん体温を上げていく。


「梨子、もう俺のものにしてもいい?」


わたしを支配するみたいに覆いかぶさって、見上げる先で社長が言った。

社長の身体の下に小さく収まってしまったわたしは、その言葉にぶるりと震える。



ああ、なんかもう……
今ならいいかもしれない。

なんだか素直になれてるし、今を逃したらまた意地っ張りが顔を出す気がする。


今はただ、この気持ちに正直に従っちゃえばいいんじゃないの……?



「虎鉄」


わたしは頭の中に浮かび上がる声を、考えることなくそのまま音にする。


「はじめてだけど、がんばるから。だから、虎鉄にしてほしい……」


そう言って社長の胸に熱くなった顔を押し付けると、ぎゅうっと力強く抱きしめられた。

アホとかバカとか、社長がなにかひどいことをぶつぶつ言ってる。
その割りにわたしを抱きしめる腕には力がこもる一方で、少し痛いくらいだもん。
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