YUMERI〜女のコにはユメとキボウがあるのだ!〜
合格発表の朝。
希望梨は心臓が破裂するような思いをしていた。
受験番号0930。
オクサマ。
オクサマ!
あらやだ奥様どちらへお出かけ?
いえね、ちょっと合格発表を見に…。
まぁ、それはドキドキするわね!

緊張し過ぎて感覚が麻痺して味が分からないトーストをかじっていた。
奥様方が心の中で好き勝手な会話をしている。

オクサマ。
オクサマ。
オクサマ。
オクサマオクサマオクサマ。

ケイに見送られながら家を後にして、呪文のように受験番号を心中で唱えた。

結果次第で辛いので、りおと一緒には行かなかった。
もちろん稔とも別行動だった。


正門前は受験生でごった返していた。
10時になったら、掲示板が出されるのだ。
希望梨は今迄で1番長い時間腕時計を見つめた。
9時55分。
9時58分…。と思った所へ、どよめきが起こった。
掲示板が出されたのである。
…腕時計遅れてるし。
不吉な予感を感じながら、人をかきわけて番号を探す。

0884 0887 0888 0928…
「あったぞ、0930!」
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