それだけで、キセキ。
嘘! 嘘! 嘘!

信じられない........

ちょっともう、何やってんの、私。



凹むと同時に必死で思い出そうとするけど、何があったか全く思い出せない。

お互い服は着たままだし、彼が隣で眠っている訳でもない。

とりあえず、間違いはなかったような気がする。

でも、じゃあ、何でこの状態?

記憶が無いなりにアタマをフル回転させていると、彼が目を覚まし、ゆっくり手を離した。



「ん、あ、おはよう、智子さん.......。」

「おはよう.......。」

「ごめん、俺、寝ちゃったんだ。」

「........。」

「あれ? もしかして、って言うか、やっぱり記憶ない?」

「うん。」

「あ、えっと、何もしてないから。大丈夫だよ、ホントに。」

「そう、なの?」

「昨日、智子さん、俺にもたれて寝ちゃったから、先輩と陽子さんに送って行けって言われて、一緒にタクシーに乗ったんだ。家も近いし。」

「そう。」

「そしたら帰っちゃイヤだって言うから、安心してもらおうと思って手を繋いで、眠るの見届けてから帰るつもりだったんだけど、俺も寝ちゃったみたいで.......。」
< 8 / 22 >

この作品をシェア

pagetop