チェリーな彼女
わたしは、ふたたび彼の手から、贈り物を受け取った。その瓶は、わたしの手にもすっとなじんで、まるでずっと前から手にしていたような、不思議な感触だった。
「キレイ」
わたしは、うっとりして瓶を見つめた。
「ほんとは、もともといい匂いのきみに香水なんて必要ないんだろうけど、自分がどんな香りがするのか知ってほしくて。ぼくはこの香りに引き寄せられたんだよって教えたかったんだ」
今まで誰にも、そんな匂いがするなんて言われたことはなかった。もし本当に彼がその匂いを感じるのだとすれば、それはきっと、彼への愛がわたしの体からあふれ出たから。
「ありがとう」
愛を受け取ってくれて、ありがとう。
わたしは舞い上がってしまって、食べかけのケーキもそのままに、手首に香水をひと吹きした。
「わあ……」
たちまち広がる、春の香り。
ちょうど部屋の中に、柔らかな西日が差し込んで、狭いワンルームマンションの1室が、瞬く間に甘くて酸っぱいさくらんぼの森に変化した。
「キレイ」
わたしは、うっとりして瓶を見つめた。
「ほんとは、もともといい匂いのきみに香水なんて必要ないんだろうけど、自分がどんな香りがするのか知ってほしくて。ぼくはこの香りに引き寄せられたんだよって教えたかったんだ」
今まで誰にも、そんな匂いがするなんて言われたことはなかった。もし本当に彼がその匂いを感じるのだとすれば、それはきっと、彼への愛がわたしの体からあふれ出たから。
「ありがとう」
愛を受け取ってくれて、ありがとう。
わたしは舞い上がってしまって、食べかけのケーキもそのままに、手首に香水をひと吹きした。
「わあ……」
たちまち広がる、春の香り。
ちょうど部屋の中に、柔らかな西日が差し込んで、狭いワンルームマンションの1室が、瞬く間に甘くて酸っぱいさくらんぼの森に変化した。