オレ様探偵とキケンな調査
電車を乗り継ぎ、帯金探偵事務所の前。


思いがけず見えた背中に、あたしは身を隠す。


帯金さんだ…。


急ぐ足で大通りに出て、タクシーをつかまえる。


あたしも慌てて車を見つけ、


「前の車を追ってください」


と、それだけ告げると、車は冬の街をしばらく走り、総合病院の前で停車した。


「お釣りはけっこうです」


その背中を見失わないように、こっそり後を追う。


どこか体の調子がおかしいのかな…。


ちゃんとご飯は食べてるのかな…。


なのに帯金さんは受付を通り過ぎ、どの科の前でも止まることなく、真っ直ぐ大きな病院の建物の中庭へ出た。
< 108 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop