オレ様探偵とキケンな調査
「あ…」
帯金さんを迎えた中庭の2人は…。
あたしより少し年上のショートカットの女性と、車椅子の男の子だった───。
これ以上近づけないので、3人の会話は聞こえない。
でも、わかる。
あの女性と男の子は…帯金さんの失った家族だ…。
3人はぎこちない笑みを浮かべて、しばらく冬の中庭で話し合っている。
元々は“一緒”だったはずの3人の家族が、今はバラバラに通じ合っていないのが遠くからでも見てとれる。
少し雪混じりの雨が降ってくると、帯金さんは車椅子の男の子の頭に手をやり、女性に茶封筒のようなものを差し出す。
女性が遠慮がちにそれを受け取ると、帯金さんは中庭を出て、あたしの方へ進んできた。
その鈍く光った目はあたしを捉えていて、ごまかそうにも隠れようのないあたしは、軽く会釈してその場から立ち去ろうとするのに、長くゴツイ手が掴んで離してはくれなかった。
「椿、尾行下手すぎ」
それだけ言って帯金さんは、あたしの左手を掴んだまま、屋上へと連れて行った。
帯金さんを迎えた中庭の2人は…。
あたしより少し年上のショートカットの女性と、車椅子の男の子だった───。
これ以上近づけないので、3人の会話は聞こえない。
でも、わかる。
あの女性と男の子は…帯金さんの失った家族だ…。
3人はぎこちない笑みを浮かべて、しばらく冬の中庭で話し合っている。
元々は“一緒”だったはずの3人の家族が、今はバラバラに通じ合っていないのが遠くからでも見てとれる。
少し雪混じりの雨が降ってくると、帯金さんは車椅子の男の子の頭に手をやり、女性に茶封筒のようなものを差し出す。
女性が遠慮がちにそれを受け取ると、帯金さんは中庭を出て、あたしの方へ進んできた。
その鈍く光った目はあたしを捉えていて、ごまかそうにも隠れようのないあたしは、軽く会釈してその場から立ち去ろうとするのに、長くゴツイ手が掴んで離してはくれなかった。
「椿、尾行下手すぎ」
それだけ言って帯金さんは、あたしの左手を掴んだまま、屋上へと連れて行った。