オレ様探偵とキケンな調査
⑨甘い囁き
お弁当を持って遅めの出社、帯金さんは接客中、小松さんは帳簿を見ながら電卓を操作、相変わらず明美さんはいない。


「お宅のご主人にそのような兆候が見られたのは、いつ頃からですか?」


「3ヶ月程前です。見ちゃいけないと思いながら主人の携帯を見ると、同じ女からいくつもメールがありました」


「どのような内容でしたか?」


帯金さん…。


ちゃんと接客してる…。


あたしが初めてここを訪れた時とは大違い。


あたしの相談には突き放して、膨大な相談料ふっかけて、依頼を半ば強制的にせまったクセに…。


あたしだけ、特別だったのかな…。


そう思うと昨日つけられたキスマークの胸のあたりがくすぐったく疼いた。
< 178 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop