オレ様探偵とキケンな調査
「つっても、1人で家にいてウジウジしてらんねぇだろ。使ってやるからココに来い」


「…へ?」


「給料ってほどのモンも出せねぇけどな」


「あたしが…ここで働くんです、か…?」


「アンタ、日本語通じねぇの?」


───ムカッ


「へぇ…。そーやって怒るんだ」


「何がですかっ!」


「怒りもしねぇ、泣きもしねぇ、旦那のただのお飾り人形かと思ってた」


「お飾りじゃありませんっ!」


「旦那の不倫に2年も耐えて“あたしって可哀想”って悲劇のヒロイン気取ってさ、それでも持ってくる給料でお高い洋服や宝石買って、必死になって“あたしってキレイでしょ?”ってしがみついて。オレにはその神経が信じられんね」


「だって…だって、いつか戻って来てくれるかもしれないじゃないっ!」


「戸籍にバツつけたくなかっただけだろ?育ちのいいお嬢さんじゃ、無理もねぇよな」


「なんでそんな事わかるんですかっ!」


「悪いがアンタも調べさせてもらったよ。旦那の不倫=妻が正しいとも限らないモンでね。アンタの方に非があるかもしれねぇもんな」


「あ、あたしっ!?」


「アンタが同時進行のW不倫て可能性もなくはねぇだろ」
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