オレ様探偵とキケンな調査
「ふぅー…」


一息ついたのは、昼抜きの午後3時。


帯金さんも小松さんもかなりのヘビースモーカーらしく、机も椅子も電話の受話器もヤニだらけで、何度洗っても雑巾は黄ばんだまま。


もし明日も使われるようなら…新しい雑巾を縫って持って来よう…。


机に山と積まれた書類は、小松さんの手でファイルに閉じられ、壁いっぱいの棚にキッチリおさめられていた。


「少し、休憩しましょうか」


小松さんがお茶を淹れてくれて、あたしは明美さんのデスクを借り、温かいお茶をいただいた。


「小松さんて、お茶淹れるのがお上手なんですね?」


「この年ですから、コーヒーよりお茶派で。そう言ってもらえると嬉しいもんですな」


はぁー…。


なぜかこの小松さんには癒やされる。


口調もお茶もやわらかで、とても接しやすい。


───に、比べて。


テーブルに足を上げてソファーで爆睡中の帯金さんときたら。


あたしを見てはケチョンケチョンにけなして、挙げ句の果てに掃除まで押しつけて。


あ゛ーっっっ!!腹が立つっ!!


ケド。


お腹も減ったなぁ…。
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