オレ様探偵とキケンな調査

その年のクリスマス・イブ。


亨のベッドの横で玲奈がオレに差し出したのは、すでに押印済みの１枚の離婚届。


「玲奈…?」


「わたし…もう耐えられないの…」


「だから２人で、亨と３人で乗り越えていくんだろ?離婚なんて、オレは玲奈と亨から離れるなんてできねぇよ」


「晃はね、望みのない亨の将来に真っ直ぐすぎるの。現実からどんどん遠ざかっているの。亨を見て?何も話さず何の感情も抱えずベッドの上でお人形みたいに食べさせられて、体を動かされて毎日その繰り返し。しゃべることも歩くことも、もう無理なんだよ…?」


「リハビリ次第で回復するかもしれないじゃねぇか?」


「期待した分、もうこれ以上失望するのは、わたしだけで十分だよ…」


「玲奈…」