優しさ、そして愛


「櫂…

 そろそろこっちに座って
 話さないか?」





しばらくそのままでいると
声をかけられた





その言葉にお兄ちゃんが私を立たせ
手を引き歩き始めた






「杏、大きくなったな」






私が目の前に座ると
目を優しげに細め笑ってくれた





「これからは決して
 寂しい思いはさせないからな」






あぁ、ここに来てよかった





撫でられたあたたかな手から
優しさが伝わる





それから3人でたくさんの
話をした






おじいちゃんは龍蔵というらしい





なんと呼んでいいか分からなくて
おじいちゃんと呼んだら
嬉しそうに笑った






立場上お兄ちゃんからも
組長と呼ばれるらしく
普通のそれが嬉しかったようだ






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