*魔法の香り*

「……」





 何コレ

 なにこれっ!!??



 あたしは心の中は

 踊ってしまいたい気持ちで

 いっぱいだった。



 嬉しすぎる。



 先輩の連れてきてくれた

 お店のコース料理は美味しいし



 用意していた先輩への質問は

 全部聴けたし

 思っていたより会話も続いた。



 夢みたい



 これって

 由希の言ってた魔法のおかげ?



 じゃあ、ないよね?





「お待たせいたしました」





 コースの食事も終わり

 ウェイターさんが

 食後のデザートと飲み物を運んできた。



 そのデザートプレートに

 書かれたいた文字と花火が





 あっ……





「誕生日、おめでとう」



「……えっ!!??」



「え?」





 あたしのリアクションに

 人谷先輩の方が驚いた顔をして





「……佐原から、今日だって聞いたんだけど?」



「ゆ、由希が?」





 あれ?

 な、なんで???





「……」





 でもだから

 こんなに素敵なお店に

 連れて来てもらえたの、かな?





「……そのリアクションだと、誕生日じゃないみたいだね?」





 あっ……



< 12 / 24 >

この作品をシェア

pagetop