*魔法の香り*

 待ち合わせは

 駅前のカフェに18時――





 あたしは

 ドキドキする心臓と震える手を抑えて

 人谷先輩のために考えた

 今日のお食事プランを頭の中で

 何度もおさらいしていた。



 まずはここで謝って

 人谷先輩のお話を聴いて



 予約したお店に行って

 お食事しながら

 先輩のことたくさん聴いて



 で、出来れば

 次の約束とかしたいなぁ

 なんて考えてたりして……。



 あんまり喋る人じゃないから

 用意した質問で

 上手くお話出来るか不安。



 お店イタリアンで大丈夫だったかな?



 人谷先輩

 和食の方が好きだったかしら?



 イヤ、もう予約取っちゃったんだから

 悩んでも仕方ないのよ





「……」





 あぁ、上手く次の約束

 出来ますように~っ!!





「何やってるの?」





 へ?





 顔を上げると

 目の前に

 人谷先輩のドアップがあった。





「◎▲〒◇★@○#■~っ!!!???」




 
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