*魔法の香り*

 彼女は、いないって情報

 聞いてたけど

 これじゃあ女の子達に

 モテないわけないよね?



 好きな人がいるなんて

 聞いたことなかったけど



 どうせダメもとなら

 聞いてしまおうかな……。





「さてと、行こうか?」



「えっ!?」





 ど、ドコへ?



 これからお食事の予約

 取ってあるんですけど?



 立ち上がる先輩を

 訴えるようにあたしが見ると





「あっ、……もしかして、店とか予約してた?」



「はい、あのっ、……すみません」





 ヤダ、頑張り過ぎみたいに思われた?





「番号教えて?」



「えっ?」



「店の電話番号」



「あっ、はい」





 あたしは携帯を取り出して

 履歴を出した。





「このまま電話していい?」



「? はい」





 人谷先輩は

 あたしの携帯からそのまま

 予約していた店に電話をかけた。





「予約していた三月ですが、用事が入ってしまって……、はい、今日はキャンセルして来週の同じ時間にずらしてもらいたいのですが」





 えっ!!??



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