恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
「ほら、無いじゃないの。…っつたく。チョー汚い!どうしてくれんのよ、私の制服!」
「ご、ゴメン…」
「わかった!アンタ、アタシのストーカーでしょ。それで、携帯電話欲しいんでしょ?色んな情報が入っているもんね!」
「ち、違うよ!僕は君の顔を見るのは今日が初めてなんだ。初めてなのにストーキングするなんてありえないだろ」
「無いなんて言い切れる?絶対?」
「そ、それは…」
「ほら、言い切れないじゃない。この世に『絶対』なんて事は無いのよ。そうやって天才と呼ばれる人たちは、色んな発明をしてきたんだから。ってか、アンタ、私が通っている高校の男子の制服着ているじゃない。同じ学校通っているんだもの、絶対見た事あるわよ!」
「でも、本当なんだよ。僕はストーカーじゃない。本当に本当なんだ!」
「ウルっさい、しつこい!本当本当って、そうやって言えば許されると思っているわけ?」
「許されるなんて思っていないよ。ただ、君の携帯電話に悪霊がついているのは事実なんだ。僕は霊感があって、幽霊と言われるたぐいのものが見える。さっき君が携帯電話をイジっていたら…」
『携帯電話』の一言で、私の堪忍袋の緒がブチン!と切れた。
「ウルッセェ!」
「・・・!」
「ウザイんだよ、キモイんだよ、お前見ているとマジでムカツクんだよ!この変態ヤロー!ストーカー野郎!お前みたいな男、誰が好きになるかってんだ!え?好きになるわけねぇだろ!たとえ寄ってきたとしても、てめぇが超金持ちで、有名人で、それかボンボンで、その金に女が群がって来るだけだ!モヤシみてぇに白い肌しやがって、老人みたいに猫背しやがって、ガリガリの脆弱な体しやがって!普通の高校生のテメェに女が惚れるわけねぇだろ!どんなにストーキングしたて無理なんだよ!とっとと帰れ!これ以上そこにいたら殴るぞ!警察呼ぶぞ!オラッ!」
私は怒りのあまり、とても女の子とは思えない言葉を吐いていた。周りにいた人も皆、驚き食い入るように見ている。しかしその時は、少しも悪いことをしたと思っていなかった。携帯電話をけなし私の顔や服を汚したのに、謝らない青年が悪いと思っていた。
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