マンガみたいな事が起きました。
渉が教室を去る間際、
「忘れてました。
舞さん、ちょっと用事があるので来て下さい」
お呼びだしされた。
もしかしてさっきのこと?
黙って渉に着いていけば、
ふと足を止められた。
「俺のこと見過ぎ。
穴空くっつーの」
ククッと笑った。
「そんなこと……」
そんなことあるけど、
そんなことないっ!!
「舞」
呼ばれて見上げればすぐ近くに綺麗な顔があってドキッとした。
き、キスされる……?
咄嗟に目を瞑ったけど唇が降りてきた気配はない。
目を開けば相当な意地悪な顔をした渉がいた。
「キスじゃなくて残念でした」
耳元でそんなことを言った。