ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

「へぇ・・・、そうだったのか」


ゆのとハジの会話は、盗聴されていた。

その者は足音もなく去り、主のところへ向かって行った。










ーーーコンコンッ


「どうぞ」

「失礼します」

「ツバルか。どうかしたか?」

「テト様に耳寄りの情報があります」


ツバルは盗聴した内容をテトに伝えに来たのだった。



全てを話した後、テトは驚いたように言った。


「ユノは元の世界に帰りたくないと思っていたのか・・・」

「そのようです。それから、時計も探しておられました」

「そうか・・・」


ゆのの時計は絶対オズヴェルドが持っている。そう確信しているテトは、自分では探せないためゆのをそそのかしたのだ。


「ユノがこの世界に残りたいと思っているのは都合がいいね。母様がなんの目的でユノを召喚したのかわからないけど、感謝しなくちゃ」

「ですが、テト様」

「わかってるよ。母様はユノを正室に迎えることを反対するだろう。それでもね、やれるところまでやってみたいんだ」


私は従者。
主の願いを叶えたいーーー


「私も尽力します」


二人の主従関係は確かなものだった。

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