【企画】キミへの合図はサクラの音色
「……そっか。あ、じゃあ俺そろそろ帰るわ」
「あ、私も帰らないと!」
気が付けばほとんど生徒たちはいなくなっていた。
「じゃあ、また明日な」
「うん!ばいばい!」
私に手を振ると、陽太くんは自転車置き場の方へ歩いていった。
いいなぁ、自転車通学。
私は徒歩通学だ。
家から学校まで1時間だから「それぐらい歩いていけるでしょ?」ってお母さんに言われたんだよね。
ほんと、鬼だ……。
校門を出て、家の方向に歩いて帰る。
「はぁ……」
同じ中学で仲良い子、同じ学校じゃないから1人で帰らなきゃいけないのかー……寂しいなぁ……。
トボトボと通学路を歩く。
すると―――