危険なアイツと同居生活





携帯の電源を切るために、ふと携帯を見た。

すると、一通のメールに気付く。

なんと、




『緊張するよぉ』




蒼からのメール。

胸がドキドキと音を立てる。




やっぱり蒼、緊張してるんだ。

碧は緊張なんて見せないけど……

そりゃ、そうだよね。

だって、夢の武道館だよ?





楽しみにしてるね。




そう送ると、




『ありがとう』




短い文面。

今は最終調整で忙しいのかもしれない。

そんな時にまでメールをくれる蒼に感謝だ。




だけど……






『はやく会いたい。

終わったら待ってるから。

裏口にいる警備員に唯ちゃんの名前を言って(^^)』





あぁ、寂しいのはあたしだけではないと実感する。

蒼もあたしのこと、大切にしてくれているんだなと思った。





嬉しいよ。

すごく嬉しい。

はやく蒼に触れたい。

その優しさに溺れたい。





得意の妄想の中、開演を告げるブザーが鳴った。




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