危険なアイツと同居生活





「ツアー、長かったな」




右側で、優弥さん……いや、艶が口を開く。




「マジで長かった。

けど……

お前らに会えて、俺らは幸せだ」




クールな碧の声に、再び沸き立つ会場。

あたしも大きな声で叫んでいた。





「じゃ、まずは恒例の自己紹介から」




再び声援。





「ドラム、玄。

その激しいテクは、スティックのみで女も狂わす」




激しいドラムが鳴り響く。

複雑なリズム。

どのドラムが叩かれているのか分からないほど細かく震える数々のドラム。

素人でもすごいと分かるほどの演奏だ。





「ベース、酙。

クールで寡黙な知能派ベーシスト」




低音が鳴り響く。

ドラムのような激しい音を立て、時に甘く時に激しく会場内を駆け回る。





「ギター、艶。

情熱のリーダー。

その音色は、聞いた奴全員を魅了する」




お決まりの艶の暴走ギター。

歪んだ音が鳴り響き、もう、どうなっているのか分からない。




「そして俺、ギター、ボーカルの碧」





「碧!!」


「かっこいいー!!」




客席は、黄色い声援に包まれた。




いつものことながら、碧の人気は異常だ。

仕方ないよね、かっこいいし。

だけど……

やっぱり嫉妬するな。



胸がざわざわと音を立てた。



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