危険なアイツと同居生活





そして、突然始まる次の曲。



激しい演奏に、色っぽくて耳朶を刺激する碧の唄。

熱い吐息があたしにもかかりそうで、身体を甘い戦慄が駆け抜ける。




激しい曲に、甘いバラード。

どれもこれも全て完璧で、そしてあたしを狂わす。







「ここで、来月リリースの新曲、『白夜』。

マジで曲者で、十日以上俺らを困らせた艶の傑作。

……聞いてくれるよな?」




碧の言葉に、再びどよめく客席。

あたしの鼓動も再び早まる。

そして、流れたあの曲。

指から血を流しながら、蒼が練習していた曲。

スタジオで全く上手くいかなくて、優弥さんが怒鳴り散らしていたあの曲。

それが今、完璧な形で披露される。





複雑なリズムを刻むドラム。

バスドラムが凄い速さで唸っている。

打楽器のような荒い音を立てるベース。

まるで弦がはち切れそう。

リードギターは、いつものように暴走。

それでも決してボーカルを邪魔しない。

魔法のような指遣いに感激するばかり。

そして……

何度も耳にしたあの複雑な旋律を奏で、甘い歌声を披露し、余裕の表情で客席を睨む碧。




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