危険なアイツと同居生活








隆太の姿が消えると同時に、




「……唯ちゃん?」




震える声であたしを呼ぶ蒼。

狼から小動物に戻った蒼に、愛しさを隠せない。




「唯ちゃん。俺が一番だから」




そう言って蒼はあたしの身体をぎゅっと抱きしめる。

いい香りがして頭がくらくらする。

蒼が好きすぎて、窒息死しそう。




「俺が一番唯ちゃんを幸せに出来るよ?」




蒼はあたしの顔を覗きこんだ。

その切ない顔に胸がきゅんと甘い悲鳴を上げる。




分かってるよ。

あたしには蒼しかいない。

蒼がいるから、あたしは毎日頑張れるんだよ。





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