危険なアイツと同居生活
「僕たち、すごく苦労してここまで上がってきた。
やっとトップアイドルになれたと思った。
それで、今回のシングルも余裕で一位だと思っていた」
「うん……」
蒼君は静かに頷いて僕の戯言を聞いてくれる。
「だけどさ、一位取れなかったんだ。
一位を取ることは、僕たちにとって名誉なことなのに。
……一位を取ったのは、Fだった」
「ごめん……」
謝る蒼君。
蒼君は悪くないのに。
この結果を生んだのは、実力の差。
仕方ないことなのに。