危険なアイツと同居生活









「ただいま」




マンションの扉を開ける。

暗い室内には、やっぱりアルコールの匂いが立ち込めていた。




「お帰り……ゆ……唯ちゃん」




顔色の悪い蒼が廊下にいたが、そのまま再びトイレへ駆け込む。

そしてキッチンでは、




「自由って感じだな」




目の虚ろな賢一が水道の水を飲んでいた。




「賢一!ミネラルウォーターあるよ?」




慌てて冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すが、




「大丈夫だって!

身体壊そうがもう関係ねぇ」




そう言って再びぐいっと水を飲む。

その自暴自棄な言葉に、嫌な予感がますます強くなる。



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