危険なアイツと同居生活
「はよーッス」
ドアを開け、返事をする蒼。
声のトーンがいつもより低い。
その声に、身体の底まで痺れてしまう。
「おはようございます、碧さん、艶さん」
「よろしくお願いします」
そう言うスタッフの方に、丁寧に頭を下げる蒼。
碧モードになっても、礼儀はわきまえている。
その律儀さには脱帽だ。
「碧、例の女はこの娘?」
スーツを着た男が蒼に聞くと、
「あぁ。
……俺が選んだから、間違いねェ」
蒼は素っ気なく答えた。
例の女?
例の女って、何!?
あたしは考える暇も無く小部屋に入れられて、そこですごい勢いでメイクやら何やらされて……
気付いたら、ポイッと広い空間に投げ出されていた。
恐るべし芸能界。
「なかなかいんじゃね?」
優弥さんが煙草の煙を吐きながら、そう言った。