いつか、また会える日まで。


思い出の品は次々と出てくる。


みんなと遊びに行った時のこと。



教師に雑用を押し付けられて夜の8時まで学校に残った日のこと。


休日に買い出しに行ったこと。




「あっ!これ……」



みんなとメッセージを書きあったため派手になっている赤のハチマキ。


『絶対優勝! 春』

『負けないっ(≧∀≦) 美緒』

『頑張るー( *'w')b 綾』

『最高の思い出にする!! 加菜』

『リレーで咲夜に負けない! 翔也』

『全力でヽ(*^∇^*)ノ  瑠璃子』

……


……





「……ちゃんと、いい思い出になったよ……」


優勝は咲夜たちに取られてしまったが、後悔はない。

そんな体育祭だった。



『私、来年も実況やろーっと』



……叶わなかったな。


したかったな。



楽しかったな……




『二年四組のみんな!今まで、……ありがとう、ございました!!みんなや咲夜たちに出会って……知らないことを知れました。こんなのは、わがままだけど……私のっ……こと、わっ忘れないでくださいっ!!』



泣きそうなのは我慢しながら。


必死に話した最後の一言。


最後の一文は、恥ずかしくて俯いてしまった。



『みんな大好きっ!!20歳までに頑張って戻ってくるから、同窓会とかは呼んでね!!』


『もちろんだよー!』

『当たり前ね』
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