いつか、また会える日まで。



そういや、今日は春たち来てくれなかったな。



まぁ、いいか……






そう思っていた時。


たくさんの足音が聞こえてきた。



「お客様!!走らないでください!!」



注意している人がいるのにもかかわらず、その足音は私に近づくにつれ大きくなった。



「加菜ちゃーん!!」




「……みん、な……」




春たちとクラスのみんなだった。


「遅くなってすみません!」


「……これ……」



響也がそう言って渡してくれたもの。


それは、お守りだった。



「みんなで一針ずつ縫ったんだよー!」


「みんな、ずっとそばにいるっていう証拠よ」



春が、鞄から大きなお守りを出した。



「デカっ!!」



「最後の一針、縫って欲しいんだ」



「……分かった」



繋がった縫い針を持ち、丁寧に、一針縫った。


すると、春は玉留めをし、お母さんへ渡した。



「預かっていてくださいませんか?」



「……え、私が?」




「クラス全員で、いつか、また会えた日に、取りに伺います」


「わかったわ」




じゃあ、今度こそ。



「またね!……いつか、また会える日まで。いつか、また会える日まで待っててください」



みんなの笑顔に見送られながら、私はアメリカへと渡った。
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