恋色花火
「あたし、ユウヤのこと好きです」
「レン……ありがとう」
夢の中のあたしは、浴衣を着て、花火を見上げていた。
だけどその浴衣は今日買ったものではなく……去年着ていたもの。
ユウヤが着ていたものも、去年見かけたのと多分同じもの。
あたしの鼓動は嫌に落ち着いて、まっすぐユウヤの目を見つめていた。
ユウヤもまっすぐあたしの目を見つめてくれる。
花火が上がるたびに顔の半分が色とりどりに染まる。
「レンにそう言ってもらえて……嬉しい」
「……じゃあ」
ユウヤの言葉に顔を輝かせるあたし。
「でも俺……彼女いるから」