恋色花火


……ずっと食べないのも変だし、平常心を装ってりんご飴にかじり付く。


さっきと同じ甘い味。


だけどその甘さの種類が……さっきと全然違う。



やばいってこれ……。


こんなペースじゃ、心臓が持たない。



それなのに悶々としてるのはあたしだけで、ユウヤは射的の出店を見つけてそこに行こうとする。


「俺すっげぇ下手なんだけどね」


……だから、こっち向いて笑うなっての。




だけど次の瞬間、あたしの目は違うものに釘付けになった。


「……かわいい」


射的の景品の、ぬいぐるみ。



「えぇ、あれ? なんかブサイクじゃん。
 そもそもあれ……何? 猫? うさぎ……?」


「かわいいわよ!」



もこもこの愛らしいぬいぐるみが、あたしの心を射止めてしまった。

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