恋色花火


「じゃ、じゃあ……今日会ってすぐ、恋色花火のときに抜けたいって言ったのはなんでなの?」


「は? 俺抜けたいなんて言ってねェよ!
 それなのにレンが途中で勝手に解釈したんだろ?」



……確かに言葉を途中で遮ったけど。



「……じゃあ……あの時なんて言おうとしてたの?」


「……内緒。でも、ちょっと一緒に来て?」



質問すると、ちょっと腰を屈めてあたしと同じ高さになり、そしてすぐに駆け出していくユウヤ。


……あたしの腕を引っ張っていく。


歩くのが遅いあたしに合わせて走るのはゆっくりなのに、スイスイと人をよけて行くユウヤの後姿を見ながら、あたしはドキドキが止まらなかった。



……仕方ないよね?


あたし、ずっとユウヤのことを想ってきたんだもん。



期待しても……いいよね?




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