愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『健吾が、玲奈っちの家に行って、具体的に付き合う形になったと聞いて、やっぱりお節介でも口を出さずにはいられない。アイツとは20年の付き合いだし』
「テッちゃんは、応援してくれないの?」
『応援?もちろん、全力でさせてもらう。だからこそ、玲奈っちにお願いしたいことがあって』
「私に出来ることなら、やるよ」

それまで机2つ分ほどの距離があったテッちゃんと私だけど、テッちゃんが1つ分まで近づいてひとつの椅子に着席した。

"玲奈っちも座って"と、私も着席。

『アイツは、過去の恋愛で大きな傷を抱えている。長い間、特定の彼女がいなかったのは、恐らく人を愛することへの恐怖心がその傷のせいで強かったからだと思う』
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